『血圧のお話』
朝晩まだ寒い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
寒くなりますと血圧が高くなる傾向があります。
これは、人間の身体は寒さを感じると、身体の熱を外に逃がさないように血管が収縮する為、その結果、血圧上昇に繋がります。
今回はそんな血圧のお話です。
<そもそも血圧とは?>
「心臓から拍出された血液が血管の壁を押す力」のことです。
一般的に動脈の内圧を指します。
<血圧測定でわかる数値>
◆収縮期血圧 (一般的に言われる「上」) 心臓が縮んで血液が押し出されるので、血管を内から押す力が強くなります。
◆拡張期血圧 (一般的に言われる「下」) 心臓が膨らんで血液が出てこないので、血管を内から押す力が弱くなります。
<血圧が決まる5つのポイント>
①心臓からの血液の多さ 心臓から送られる血液が多いと血圧Up↑
②血管の広さ 血管が狭いと血圧Up ↑ 血管が広いと血圧Down↓
③体内の血液量の多さ 体内の血液量が多いと血圧Up ↑ 体内の血液量が少ないと血圧Down ↓
④血液の粘性 血液がドロドロしていると血圧Up ↑
⑤血管の硬さ 血管がもろくて伸びないと血圧Up ↑ 以上の5点が血圧を決める要素となります。
<血圧の調節機序>
①体液性調節 通常は腎臓で水分量を調節して、血圧を調節します。
②神経性調節 圧受容器が血圧の異常を感じると、脳の延髄(心臓血管中枢)にそれが伝わり、心臓に元に戻すよう指示を出し、心臓が調節します。
様々な疾患や生活習慣によって、腎臓や、その他の調節システムにエラーが生じた場合に、血圧の調節が困難になってきます。
<高血圧はなぜダメなの?>
日本高血圧学会では、正常血圧は「上の血圧が120mmHg、下の血圧が80mmHg未満」と規定されています。
では、高血圧は危険と言われますが、なぜ危険なのでしょうか? (ここでの高血圧とは「140/90mmHg」以上の状態を指します。)
大きく分けて2つの理由があります。
①血管障害 血管の壁に対して慢性的に圧負荷がかかり動脈硬化が進み、血管が破れたり詰まる原因となります。
そうなることで、脳卒中、狭心症(心臓で血管が詰まる)、心筋梗塞(完全に詰まって壊死)などに繋がります。 (「動脈硬化」とは動脈壁への代謝物の病的沈着などにより、壁細胞の増殖、再構築などをきたし、動脈壁が肥厚、硬化した状態。弾力性、柔軟性がなくなり、血管が脆弱化し、動脈瘤や脳出血の原因となります。)
②左室肥大 後負荷(末梢血管抵抗)の増大により、心臓左室の肥大が生じます。 高血圧性心疾患、心不全、心房細動などにつながる要因となります。 気を付けないといけませんね。
こうやってみてみると、血圧管理の重要性を改めて感じることができます。
病気の早期発見にも繋がる血圧測定。
ご自身の身体の状態を確認する指針のひとつとして、ぜひ日々の血圧チェックを実施してみて下さい。
文責:言語聴覚士 脇阪