失語症に関する書籍のご紹介♪
「失語症」についてご存知ですか?
「失語症」とは、脳卒中(脳梗塞や脳出血)などによって、ことばの機能を司る脳の一部がダメージを受け、「ことばを聞いて理解する」「ことばを話す」「文字を読む」「文字を書く」といったことばの機能すべてにおいて、何らかの機能低下が生じる状態のことをいいます。
ご本人だけでなく、身近な方が、「失語症」と言われ、どう接してよいか途方にくれたり、認知症になったのではないかと誤った理解をしたり、医療・介護などの現場でどう関わってよいか不安になる方もおられると思います。
そんな方々に「失語症」について分かりやすく一般の方向けに書かれている本を今回は紹介させて頂きます。
●『こう見えて失語症です』米谷瑞恵 著
失語症とはどういうものなのか、ポップな漫画と文章で解説されています。
フリーライターであった著者の旦那様が47歳の時に脳出血で倒れ、後遺症として失語症が残り、その後著者と二人三脚で歩まれてきたご様子がとても分かりやすく描かれています。
著者は旦那様の発症後に言語聴覚士の資格を取得され、現在は言語聴覚士として働いています。
回復期病院に入院されている頃から、退院された後の自宅での生活、復職から現在に至るまで。それぞれの段階で、できること、できないことに向き合い、少しずつ前に進まれるご夫婦の姿が印象的です。
旦那様のポジティブな姿勢、奥様のまっすぐな受け止め方と接し方が、とても素敵です。
また、ウェブサイト「うちの失語くん」YouTube「失語症チャンネル」でも多くの人に失語症を知ってもらおうと発信されていますので合わせてご覧いただけたらと思います。
●失くした「言葉」を取り戻すまで 清水ちなみ著
『週刊文春』で連載を持っていたコラムニストが46歳の時、くも膜下出血と脳梗塞で左脳の1/4が壊死して、右手に麻痺がでて「お母さん」「わかんない」の2語しか話せなくなっていた著者は「言葉」を失い、そんな悲劇的な状況でも「絶望してもしょうがない」と明るく受け止めて、家族や友人、医師、セラピストらに支えられながら、日々を楽しみつつ前向きにリハビリを続け、再び文章が書けるようになるまでの軌跡が描かれています。
ご主人の当時の日記、実際の脳のMRI画像、担当の医師や言語聴覚士らに著者本人が取材して得た情報も含まれ、失語症になった著者自らがパソコンのキーボードを一文字一文字打って書かれた本です。
さらに、失語症についてもう少し詳細に知りたい方には
●失語症になったら最初に読む本 監修 中川良尚、三村 將
言語聴覚士の先生が監修され、失語症の症状、検査、治療、リハビリテーション、家族と患者のコミュニケーションの仕方、失語症患者が使える福祉サービス、仕事復帰に向けての準備の仕方、失語症経験者の体験談などの情報まで記されおり、失語症患者と家族が知りたい情報をまとめた一冊です。
今回、失語症とどのように向き合って、どうやって乗り越えていくのか、どうやってサポートしていくのか、失語症についてもっと知ってほしいと思いこれらの本を紹介させて頂きました。ご一読頂けると幸いです。
訪問看護ステーション ココアでは、言語聴覚士が失語症の方に向けて、お一人お一人に合ったリハビリテーションを実施しています。
言葉についてお悩みの方や、ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。