質の良い睡眠を心がけて、健康な身体作りを行いましょう
雨の多い6月、体調はいかがでしょうか? この時期は移動や転勤で新しい職場に移り環境が変わった職員さんも多いかと思います。
そんな中、最近では「6月病」という言葉を耳にします。環境が変わりその場に馴染むためにずっと緊張した状態が続くと、自身でも知らないうちにストレスや疲労を溜め混んでしまいます。そのため、身体的に不調になってしまうことを6月病と言います。
いわゆる「5月病」とは少し性質が違い、5月病が急性のものとすれば、6月病は慢性的なものになり、うつ病の入り口になるとも言われていますので適切なケアが必要になります。そのためにも欠かせないのが睡眠です。今回は体温と睡眠についてお話しようかと思います。
☆睡眠は最初の90分が重要!☆
良質な睡眠をとるためには、最初の90分間の睡眠が大事だと言われていますが、体温とはどういった関係があるのでしょうか?
体温は手や足など、身体の中心から離れて外部からの影響を受けやすい「皮膚温度」と、脳や臓器など身体の中心の機能を守るために、一定に保たれる「深部体温」に大きく分けられます。 深部体温は熱中症とも関係がありますので、覚えておくと良いかもしれません。
よく「睡眠時には深部体温を下げれば眠くなる」と言われていますが、これだけではなく皮膚温度と深部体温の差を縮めることが必要になります。 つまり、オンとオフのメリハリが重要ということですね!
☆良質な睡眠のポイント☆
①覚醒時は体温をあげる(運動など)②皮膚温度を上げて熱放散すると深部体温が下がる(入眠)③最初の90分は体温を下げて睡眠の質を向上させる④朝が近づくにつれて体温が上昇し覚醒する(スッキリした朝が迎えられます)
では、どうすれば皮膚温度と深部体温の差を縮めることができるのでしょうか?
その最も簡単な方法が「入浴」です。 約40℃の風呂に15分入ると深部体温が約0.5℃上がるという報告があります。 また、深部体温は上昇した分だけ大きく下がろうという性質があります。0.5℃上がった深部体温が元に戻るには約90分かかりますので、寝る90分前に入浴を済ませておけばその後さらに深部体温が下がっていき、皮膚温度の差も縮まり、スムーズな入眠につながります。
もし風呂に入る時間がないのであれば、シャワーを浴びるだけでも良いとされています。その場合は深部体温が元に戻るまで90分もかからないため、早めに入眠されることをお勧めします。
さらにいうと、シャワーよりも簡単に取り入れられる方法が「足湯」です。 身体の中で熱放散を主導しているのは毛細血管が発達している足になります。そのため、足の血行をよくして熱放散を促せば入浴と同等の効果があるとされています。就寝前にも効果が得られますので、最近疲れてあまり眠れないなという方にもお勧めです!
また、利用者様へのケアの一環で足浴をされることがあるかと思います。 利用者様やご家族様に、「血行促進と共に、睡眠の質をあげてより良い睡眠が期待できる」こともお伝えしてみてはいかがでしょうか?
文責:泉谷